オープンシステム関連情報
各種メディアへの掲載、建物の受賞等、オープンシステムに関する情報です。
 

建設工業新聞 2000年8月10日
 

写真8月10日、日刊建設工業新聞でオープンネット(株)が紹介されました。
掲載記事内容
新たなネットワークと作業環境の創出
  
インターネットを活用した情報共有がカギ

 設計作業へのCAD導入、建築設計事務所と建設現場の図面情報の送受信など、建築設計界にも徐々にITが浸透してきた。今では、通信回線を活用した情報共有により、異業種間のネットワークや新たな作業環境も生まれている。最新の事例として、発注者・設計者・施工者間の情報共有によって分離発注を実現するインターネットサイト「オープンネット」と、時間・場所を選ばず共同作業ができる設計環境の構築手法という2事例と建築設計界の現状を紹介する。

 「エンドユーザー(消費者)が主役となる建築(住宅)は、どのようにつくられるべきか」「設計者は、クライアントになにができるのか。また、なにをすべきか」
 この明快なテーマのもとに、1998年、鳥取県米子市にオープンネットがつくられた。
 全国の設計事務所がネットワークを組み、情報交換を密にし、従来の建築づくりとは違ったオープンシステムという新しい手法をつくり出している。現在、加盟している設計事務所は86社、毎月10社ずつ増えていて、5、6年先には1000社にもなろうという勢いだ。

■既成の建築生産システムを変える
 現在の建築生産の流れは、クライアントからの発注を受けて設計者が設計し、それをゼネコン(工務店)が請け負う。しかし実際に工事を行うのは専門工事会社である。多重下請け構造といわれるこの流れでは、コストが見えないなどのトラブルがつきものだ。
 オープンシステムでは、クライアントとオープンシステムの設計者はパートナーとなり、途中のゼネコン(工務店)を通さず、直接、専門工事会社に分離発注する。当然、コストは下がる。
 建築資材も同じで、従来のOEMメーカー(相手先商標製品=委託を受けた相手先のブランドで完成品を供給すること)、メーカー、建材店、ゼネコン(工務店)、クライアントという流れを、OEMメーカー、オープンネット、クライアントとパートナー関係のオープンシステムの設計事務所への流れとする。すると、中間のメーカー、建材店、ゼネコン(工務店)を省くから、ここでもコストは下がる。

■情報をデーターベース化し共有へ
 このことは設計活動をやっている人なら、だれでも知っていることだ。しかし山中氏はそれを解決するのに、情報ネットワークという手段を見つけたのである。
 「住宅は、デザイン、コスト、機能、性能、構造など、どれをとっても要素が多く、クライアントのライフスタイルもさまざまである。ところが、ハウスメーカーは、自社の得意とするものしか薦めない。本来、設計者はクライアントとのコンセプトを重要視しなくてはならないが、それには十分な情報がない。そうした情報を、多くの設計者と共有できないか」
 山中氏を中心に、大垣市、大阪市、岡山市の5社の設計事務所が動き出したのが始まりである。
 「クライアントにわかってもらえるだろうか、分離発注は可能か、欠陥が出たらだれが保証するのか、安価で品質保証した建材は見つかるのだろうか」
 課題は多かった。それならこれらの情報をデーターベース化し、共有にしたらどうか。「しかしサークルではなく、収益を上げる」ということで、株式会社とした。

■多様な業務でニーズにこたえる
 オープンネットは、さまざまな業務を行っている。
 設計コンセプトのまとめ、間取りなどの基本設計、細部の実施設計、専門工事会社の選定、工事請負契約の準備、工事工程表や支払表の作成などである。
 たとえば設計見積のための資材の単価表。どの資材が、どこではいくらで入手でき、輸送費を入れたらどこからのものがいいのかが瞬時にわかる。情報は会員から随時に入ってくるから、自分にとって一番有効な資材を選択できる。
 「会員が100社を超えれば、物流会社とのタイアップは可能だ。となると、設計者は全国どこからでも安価で品質保証した資材を的確に使うことができる」
 さらに「Gyousya Bank」がある。登録した業者は、オープンネット会員の物件情報が専用ホームページで自由に閲覧できる。業者はそれを見て、見積もりに参加することができるのだ。

■課題は主役の消費者の理解
 オープンネットは、いまの段階は住宅が中心だ。できればオフィスビルも手がけたいという。それが可能になってくれば、建築生産システムに大きな変革が起きるだろう。
 「そうはいっても従来のシステムが主流で70〜80%で残り、私たちはその残りくらいである。しかし1000社になったら大きな力となる」
 残る課題は、エンドユーザー(消費者)が、このことをどれだけ理解し活用するかだろう。主役は消費者なのである。
 URLは次の通り。
http://www.open-net.co.jp/
掲載者
関連HP




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オープンネット株式会社