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読売新聞 2002年8月8日
  管理会社が施工チェック 〜 広がるCM

明朗価格で
管理会社が施工チェック 〜 広がるCM方式
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 東京都府中市で豆腐店を経営する栗原俊二さん(43)は、二年前に建てた木造二階建て店舗兼住宅の費用を端数まで詳しく説明してくれた。金具一個から職人の手間賃まで、工事にかかわる費用をすべて網羅した百ページを超える見積書を設計会社が用意したからだ。「費用の配分を細かく調整できたし、工事が見積もり通りかのチェックもできた」
 住宅建設で業者が出す見積もりは、普通は工事費や材料費などを大まかに積算した程度の場合が多く、職人の手間賃などの明細まで明らかにすることは少ない。これに対して、栗原さん方は、費用の全面開示を大きな柱としたCM方式で家作りを行った。
 「CMは欧米では一般的な建築のやり方。日本のように、工務店などが一括で請け負うのではなく、マネジメント会社が建て主の立場で個々の細かい工事までチェックする方式です」と、栗原さん方を設計、施工した「木の家づくりネットワーク」 (東京)代表の山中文彦さん。
 具体的には、マネジメントを担当する会社が、建て主の代理人となって大工、左官、電気設備など各種の専門工事の見積もりや発注、施工管理まで行う。工務店が一括して請け負うやり方に比べて、複数の施工業者を比較でき、原価も分かる。不透明なマージンも発生しにくい。
 こうした情報開示を行う設計事務所は増えている。
 建て主と施工業者を結ぶ手法として鳥取県米子市の設計士が考案した「オープンシステム」は、専門工事ごとに分離発注するCMとほぼ同じ方式で、全国の約二百四十の設計事務所が採用。これまでに住宅、店舗など約四百五十の建物で用いられた。
 「家作りの費用は明細が分かりにくいという批判が以前からあった。どの業者がどれくらいの費用で施工したかはっきりさせることは、工事の品質を高めることにもつながる」と山中さんは指摘する。
 昨年四月には、建築家などが参加して日本CM協会(東京)が発足した。日本の建築習慣に合った方式の研究や普及を図るのが目的。建て主の代理人となる「CMマネージャー」の育成も目指しており、同協会では「コストや品質に対する意識が高まる中、CMはますます注目されるのでは」と話している。
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