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ニューハウス 2月号 アーキシップス古前建築設計事務所「牛松山の麓の家」掲載
  住みたいのは自然素材の家

写真12月20日発売の雑誌「NewHOUSE」2004年2月号に、当社作品「牛松山の麓の家」が巻頭特集で紹介されました。この号の巻頭特集は「住みたいのは自然素材の家」。木や土、漆喰など自然のよさを見直した、素材志向の家づくりが特集されています。「牛松山の麓の家」は、「周囲の自然と寄り添うような、やわらかな素材感に包まれる家」と、紹介されています。

周囲の自然と寄り添うようなやわらかな素材感に包まれる家



 亀岡の田園風景を見守る牛松山の麓、片流れの大屋根が印象的な廣瀬邸。高層化が進む都心ではもはや難しい平屋建てで、なんとも贅沢な空間使いが新鮮だ。

 当初、廣瀬さんの心配はコストの問題だった。「予算は1600万円。でも質は落としたくないから、何か方法はないかとあれこれ探していたんです」。そしてオープンシステム“を紹介する1冊の本に出会う。「そこに知り合いが載っていて。へぇ、こんないい家建ててるんやと初めて知ったんです(笑)。それが古前さんでした」

 このシステムは建主がハウスメーカーや工務店を通さず、工事を行う各専門業者と直接契約する分離発注方式。中間流通を省いて価格を下げ、建主の想いを反映しやすい家づくりを目指すものだ。そして建主のパートナーとして全工程を監理、代行するのが設計事務所である。

 地元の企業交流会で顔見知りだった2人が再会し、古前さんに話を聞いた贋瀬さん夫妻はこの方法なら大丈夫だと決心した。その頃奥様は妊娠中で、できる限り接着剤や薬品を含む建材は使わない方針に。オープンシステムでコストを抑えた分素材にお金がかけられて、スギの無垢材と珪藻土をふんだんに使用、自然のままの味わいが空間いっぱいに広がる住まいに仕上がった。

 平屋というのは古前さんからの提案だ。「設計当初は2階建てでしたが、階段まわりが場所をとってしまう。ゆったりした広がり感を出したくて、思い切って平屋にしたら全ての問題が解決したんですよ」

 床面積約90uだと標準的なマンションの広さと変わらないが、廣瀬邸には明らかに面積以上の開放感がある。その秘密は山側に向かって上昇する天井高で、いちばん高いリビングでは4m以上にも。出人口はすべて木の引き戸で、開放すると家全体が大きなワンルームになる。四方から光と風が通り抜け、外部との一休感は満点だ。

 コストは設計料や一部設備工事を除いて、なんと1400万円を切ったとか。新居とともに誕生した娘さんも加わって、自然体の暮らしが始まっている。
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 今回はオープンシステムだったので、廣瀬さんと相談しながら私自身がコスト全体を管理できました。自然素材は確かにコストが掛かりますが、このシステムのメリットは資材も産地やメーカーから直接購入できること。さらに品質など具体的なことを、オープンシステムのメンバーである設計士と常に情報交換できるんです(現在275社の設計事務所が登録)。

 内装には岡山県落合町から産地直送されたスギを使いました。平屋ならではの広がりを持つ空間には無垢材しか考えられず、壁や天井は珪藻土塗りのやさしさが一番ふさわしい。赤ちゃんのために安心できる材料を選びたかったこともあって、この2点は外せませんでした。そこを決めると全体のやりくりができる。珪藻土はクロス貼りと比べると3倍のコストが掛かりますが、オープンシステムだからクリアできました。素材にこだわりたい方には活用しがいのある建築システムだと思います。

         (古前 極)
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2004年10月発売NewHOUSEムック「帰りたいのは木の家」にも再録されました。
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掲載者 古前極
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