オープンシステム関連情報
各種メディアへの掲載、建物の受賞等、オープンシステムに関する情報です。
 

New HOUSE 2003年4月号
  京都府/Neo Japanesque の家 〜アーキシップス/古前建築設計事務所〜

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今、注目のオープンシステムを採用した
京の町に溶け込む『ネオ・ジャパネスク』の家
京都府/山田さんのお宅(聖護院の家) 延床面積/45坪
総工費/2249万円 設計/古前建築設計事務所

 昔ながらの京都の面影が残る聖護院の一画、3軒並ぶ長屋のうち2軒分の敷地を使って、2世帯住宅を建てた山田さん。もともと1軒には、山田さんのご両親が住んでおり、その隣が空き家同然になっていたこともあって、もう1軒分のスペースを買い取ることができました。
 新築に当たって山田さんは、新しいシステムとして注目されている「オープンシステム」を採用しました。自由な設計で、コストを抑えた無駄のない家づくりができないか調べたところ、『デザインは設計事務所、工事はオープンで分離発注』するこの方法に魅力を感じたといいます。
 そして何人かの建築家の中から「自分が求めるテイストにいちばん近かった」という古前極さんに依頼することに決定。勉強熱心な山田さんご夫婦は、設計に先立って、具体的な要望を50程箇条書きにして提出したそうです。中でも最もこだわったのが「京都の中心部なので、周辺と違和感が出ないデザインを」ということでした。そこで古前さんは、コンクリートや鋼板といった現在の素材を木と組み合わせることにより、新しい和のテイストを醸し出し、周辺環境に自然に溶け込む外観デザインをつくり出しました。
 建物は2世帯住宅ということで3階建てにし、構造的には1階がRC造、2・3階は木造となっています。一方室内は、柱・梁にスギ材、床はスギの無垢材のフローリング、壁は珪藻土仕上げと、和の伝統材料を使っていますが、強いて和を意識した設計をしなかったにもかかわらず、独特な雰囲気がある『ネオ・ジヤパネスク』風の家に仕上がりました。「コストもできるだけ抑えましたが、希望通りの家となりました」と山田さん。伝統を継承しながらも、新しい時代を感じさせる家となっています。

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周囲の町並みに調和したデザイン

 瓦屋根の続く長屋の一画を建て直す仕事でしたので、まず、周囲の町並みに調和したデザインを考えました。しかし、周辺環境と調和させつつ差別化も図るため、1階庇線を両隣に揃え、屋根の素材こは鋼板を用い、強烈な西日を鈍く反射させています。1階壁面の建具は格子として町並みと歩調を合わせながらも、壁面はコンクリート打ち放しにしました。また、2・3階の壁面は、両隣の壁と似た色合いですが、横方向にクシ引きを入れ、近くで見れば両隣とは異なった色や素材であることがわかる外壁の仕上げとしています。また、屋根も単純な切り妻ではなく、一部の屋根勾配を意図的に変え、その下に三角窓や丸窓をアクセント的に配置し、昼だけでなく、夜の見え方(明かりのデザイン)も重視した外観デザインとしました。室内の2・3階は、珪藻土やスギの無垢板のフローリング、障子といった自然素材を使っています。(古前極)

家をつくり上げる楽しさを教えてくれた「オープンシステム」

「オープンシステム」で家を建ててみて、『家づくりとは楽しいものだ』ということを実感しました。確かに役所への申請など、自分でやらなくてはいけないことはたくさんありました。この他、現場で必要とされる決定を自分自身でしなくてはならないため、毎週工事現場に足を運ばなくてはならないなど、関わる部分がとても多かったですね。
 しかし、手間がかかればかかるほど、『自分の家を建ててるんだ』という気持ちが湧いてくるものです。子供の頃、工作に夢中になった気持ちが蘇って、終わるのが残念なくらいでした。手間暇を惜しまない人には、是非お勧めしたいと思います。(建主/山田幸−)
 
 
写真What is the OPENSYSTEM?
コストの低減が図れる「オープンシステム」って何?
 一般の人から見ると、建築はわかりにくいし、見えにくいものです。その原因のひとつが、多重下請け構造に見られる受注と施工などの要領が、”オープン”になっていないからといえます。そこで、業者選定、資材費、施工費、人件費など、住宅建築にまつわる全ての価格・流通をオープンにして、コストの内訳を初め、全ての情報を透明化したのが、この「オープンシステム」です。
 家を建てたい人は、ネットを通じて自分の希望を出します。すると、それを見た建築家が、自分のプランや予算を提示。何人かの建築家が名乗り出ますので、建主がその中から、自分にイメージに一番近い住宅をつくってくれると思える建築家に依頼するというものです。これまでの発注側と受け手側という関係を一歩進めて、建主と設計者がパートナーとして、家づくりを行うシステムなのです。
 元請け会社を通さずに設計・施工しますので、業者間の中間流通が発生しない分、コストダウンと質の向上が同時に行えます。ただし、家づくりの主役は、あくまで建主自身になりますから、書類の申請や銀行への交渉は、自らが行わなくてはいけません。つまり、家づくりの多くの局面で、最終判断が自分に求められるわけです。しかし、面倒な分だけ、重要な部分での意思決定への参加、ムダな費用の削除、質の向上といった、それ以上のメリットが生まれます。
 現在、日本各地で、多くの建築家が、このオープンシステムネットワークの会員になっています。興味があり、詳細を知りたい方は、下記のホームページをご覧ください。

 オープンネット(株)
 オープンシステムホームページ http://www.open-net.jp/
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