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『日経アーキテクチャ』2003 8-18
  本間総合計画のオープンシステム〜専門工事会社の単価を収集

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本間総合計画のオープンシステム
専門工事会社の単価を収集
分離発注で競わせて「本当の単価」をつかむ
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分離発注方式での入札時に専門工事会社から入札額とともに建材の単価や材工単価を出してもらう。その「実勢単価」を工事終了時の工事費の精算に使うとともに、ほかのプロジェクトの積算時の参考資料として使う。仙台市内の設計事務所、本間総合計画の取り組みだ。

 捨てコンクリートの1m3当たりの材料単価は、A社が1万5800円、B社が1万6050円、C社が1万円---。

 本間総合計画が今年6月〜7月に実施した木造2階建て住宅のオープンシステム※(分離発注)での入札で、専門工事会社が提示した材料単価の一例だ(左ページ下の表を参照)。

「分離発注方式での入札説明会のとき、入札に参加する専門工事会社に、材料単価を記入する用紙を渡している。記入用紙には当社が積算した材料の数量が記入済み。あとは専門工事会社が単価を記入するだけにしている。各社から出た単価を簡単に比較可能だ。単価の記入ミスもチェックしやすい」と本間総合計画の本間貴史社長は話す。

 ここで得られた単価情報を、同社は入札後に有効活用する。使い道は主に二つだ。

 一つは、材工分離方式で請負契約を交わした専門工事会社に対し、工事終了時に材料の増減に合わせて工事費を精算する。例えば、実際に張ったタイルの枚数が、設計で示した枚数よりも減っていれば材料費を減らす。その精算に、専門工事会社が提示した単価を使うのだ。

 もう一つは、ほかの建物の工事費を積算する際の参考データとしてだ。
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落選会社に見積もり結果を送付

 本間総合計画が分離発注に取り組み始めたのは2年半前からだ。

「ある住宅の設計で大幅に予算をオーバーしてしまったとき、サッシ工事を分離してサッシ会社から直接見積もりをとってみた。すると工務店の見積もりより約3割も安い額が出てきた。仕様を変更せずに簡単に工事費が落ちる。この事実に純粋に驚いた」と本間氏は話す。これをきっかけにしてさらに分離発注に力を入れていく。

「工務店に一括発注する方式では、設計者は工務店から提出された見積もりの内訳の単価が本当かどうかを確かめようがない。あくまでも工務店を通した価格だからだ。それに比べて分離発注方式では、設計者が工夫すれば本当の価格を把握できるようになる」と本間氏は話す。

 その工夫で大切な点は「競争原理を働かせることだ」(本間氏)。本間総合計画では、各工種の入札時にできる限り3社以上で競わせるようにしている。また、落札できなかった専門工事会社に対して、落札額と比べてどの程度高かったかを具体的に伝える「見積もり結果通知」(76ページの右下を参照)を送付している。

「この通知書を見れば、次の入札でどれぐらい価格を落とせばいいのかが分かるし、次の入札に参加してがんばってみようと思うきっかけにもなる」(本間氏)。実際、過去に何度も落札できなかった会社が大幅に価格を落とすことで落札する例も出てきている。

安心して設計できるように

 本間氏は、専門工事会社から直接、単価を入手して使うようになってから「怖がらないで設計できるようになった」と話す。例えば工務店からみるとコストアップ要因となる設計であっても、専門工事会社からみるとコストアップ要因にはならないものがあった。

「そういうことが一つひとつはっきりと分かってきた。建て主に対する設計途中での減額案も細かく正確に出せるようになった」と本間氏は話している。
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掲載者 info@hom-ma.co.jp
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