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朝日新聞 2004年5月15日
  明朗会計で理想の我が家 広がる「オープンシステム」

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明朗会計で理想の我が家 広がる「オープンシステム」


 思い描いた通りのマイホームを建てたい。できれば安く―。そんな夢に近づく手法として「オープンシステム」が広がっている。建築士の指導を受けながら、基礎、内装、電気、水道などの工事を直接、各業者と契約する仕組み。それぞれの費用が明確になるうえ、施主と顔をあわせて進められるため、業者も仕事に熱が入る。このシステムによる住宅は1千棟に達している。

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電気、水道…工事別に契約

大阪府堺市の住宅街にある小さなレストランを思わせる建物。03年8月に完成した大島茂さん(36)、千代美さん(34)夫妻の自宅だ。
 建て売り物件を探していたが、どれもいま一つ。02年春、友人に紹介された市内の建築士、森昭彦さんが、オープンシステムについて説明してくれた。千代美さんは「注文住宅は高いと思っていにが、コストがオープンなこのシステムなら手が届く」と依頼を決めた。
 設計に10カ月かけ、契約した業者は工事関係だけで十数社になった。
 業者任せにせず、できることは自分でやった。
 基礎工事は友人が重機を持ち込み、茂さんと森さんもスコップで土を掘った。スライドドアの出物が京都市にあると聞きつけてトラックで取りに行き、洗面台やキッチンのタイルは千代美さんがインターネットで購入。2階の窓のひさしや階段の手すりを取り付けたのも、茂さんだ。
 延べ約65平方bの建物にかかった費用は2千万円弱。「土地代と合わせると、建て売りの予算をオーバーした。大変だったけど、イメージ通りの家で、住んでみると快適」と茂さん。


参加278社、経費きっちり

 オープンシステムは93年、鳥取県米子市の建築士、山中省吾さんが考案した。賛同する建築士が集まって98年に会社「オープンネット」を設立。インターネットを使って情報を共有し、現在は全国278社が加盟する。
 森さんは01年に加わった。「工務店から受けた仕事では、施主にしてあげたいことができない。システムを知って、これだと思った」と話す。
 住宅メーカー→工務店→専門工事業者と続く、一般的な下請けの方法に比べ、工事業者と直接契約を結ぶと経費の中身がよく分かる。
 「結果的に安くなることは多いが、施主は値段よりも自分の気に入った家を建てたいと思っている」と山中さん。
 京都府亀岡市に昨年、自宅を建てた重田英行さん(56)は「分かりにくいメーカーの見積もりに比べ、このシステムは材料の規格なども示され、なぜこの値段なのか明快」と話す。


苦情受けて業者除名も

 着工件数が増えるにつれ、問題点も見えてきた。
 このシステムでは、建築士が細かい設計の打ち合わせから現場管理まで大きな責任を担う。だが、「設計や資材が違う」といった苦情がオープンネット社に相次ぎ、やむなく会員4社を除名した。山中さんは「技術はあっても、誠実さがなくては他の会員の信用を落とす」と言う。
 設計から完成までの手法を碓立させるため、会員同士が手法や情報を教え合い、研修会も開いている。契約書や設計、見積表など60種類に及ぶ書類が簡単に作れるソフトづくりも進行中だ。
 「オープンシステムはようやく『基礎工事』が終わった段階。これからどんな形の『建物』になるのか、私も楽しみです」。山中さんの期待は膨らむ。
 「オープンネット」のホームページはhttp://www.open-net.jp
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 オープンシステム 施主は工事ごとに見積もりをとり、個別に契約する。建築士は施主の相談に応じながら、設計から全体の見積もり、工事のチェックなどの監理を担う。山中省吾さんが01年に出した「価格の見える家づくり」は3万部売れ、翌年には事例集も刊行した。このほど「価格の見える家づくり増補改訂版」(コスモ・リバティ社、税込み1575円)も出版。
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