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日刊木材新聞 2004年11月11日
  ★OS支援システムが完成★ 〜トップインタビュー




OS支援システムが完成
〜業務も効率化、調達も有利に〜

目標は会員2000社、年1万棟


トップインタビュー
オープンシステムネットワーク会議代表 山中 省吾

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 欧米で一般化しているCM(コンストラクション・マネジメント)という分離発注の手法を日本で実践するオープンシステム(OS)ネットワーク会議。代表を務める山中省吾氏の設計事務所が過去に手掛けた建築工事で、工務店を使わず直接各専門工事業者と契約したところ、無理だと言われた工期に間に合った上、大幅なコストダウンを果たす。この経験を日本版CMとして普及させようと始まったのがOSだ。年々認知度が高まり、黎明から普及期を経て次のステップを迎えようとしているOSの現状を山中代表に聞いた。

 OSで建築しているうちの設計事務所を訪ねてきた施主に「何を期待しているのか」と聞くと、数年前までは「建築費用が安くなる」との回答がほとんどだった。しかし今は「建築費が透明になればいい」という。現状がそれだけ不透明なのは事実だが、設計士が建てる家″への期待があるようだ。もちろん、デザイン力ではハウスメーカーや工務店に負けないし、同じものを彼らが作るより安く上がる。

 ほかにはないものを求めつつ、価格には透明性を求める。そして設計士任せではなく、ともに考えながら取り組む家作りを今の施主は楽しもうとしている。

 OSネットワーク会議の会員設計事務所は11月上旬で全国289社になった。建築における彼らの業務は設計・監理だが、工務店に工事を託すと予算や工期が工務店に握られて設計士にとってはブラックボックスになる。一般的に高いと思われる特殊な材料や工法を用いても工夫次第で安くできることが結構ある。専門業者と直に交渉すると、そういうことも見えてくる。

 OSの手法は各専門工事の職人に最も喜ばれている。例えば大工は「山中設計の仕事は手仕事が多い」とやりがいを感じてもらっている。各職人も施主から自分の仕事を直接評価されることが嬉しいようだ。

 通常は工務店任せにしている業務をこなす分、設計事務所の仕事は煩雑になる。その負担を軽減するためのシステムがこのほど完成した。受注前の見込み段階からの施主との打ち合わせや専門業者とのお見合い=A設計図書作成、申請書類作成や監理レポート、施主への工事報告書までのすべてを連動させたもので、業務手順のマニュアルとしても役に立つ。従来業務を含めて業務がかなり効率化できるはずだ。

 ウェブ上で簡単に資料請求や見積もりができるOSモールには建材メーカーや流通業者など20数社が出展している。さらにスケールメリットを生かした共同購入を行うため、このほど「オープンネット建材店」を設立した。この建材店は、概念としては各資材業者と会員との間を仲介する流通業者。機能や性能に優れ、環境に配慮した商品を選びマーケットリサーチした上で、どこよりも安い価格設定″で会員に提供する。

 OS手法による建築実績は10月20日時点で1388件(着工ベース)。今年の年間実績は昨年の380棟を2割近く上回る見通しだ。実績が増えたので共同購入の交渉ではメーカーや商社の反応が目に見えて変わってきた。FCやハウスメーカー並みの調達が可能になった。

 これら新たな業務支援システムと建材店の強みを生かして会員事務所には実績をあげてもらいたい。一般施主にOSを却ってもらうよう今後は住宅雑誌などでPRしていくつもりだ。将来的には会員設計事務所2000社、年間1万棟の着工を目標としている。


■ 略 歴 ■ やまなか・しようご=1953年4月29日生まれ。国立米子高等専門学校卒。ごうぎんキャピタル(ベンチャーキャピタル)の資本参加を得てオープンネット鰍設立。現在、山中設計及びオープンネット社長、オープンシステムネットワーク会議代表。著書に「価格の見える家づくり」「価格の見える家づくり2・実践編」(いずれもコスモリバティ社発行)がある。
■ 団体概要 ■ オープンネット梶@▽本社所在地=鳥取県米子市米原5−3−20▽電話0859・37・3343▽FAXO859・23・3493▽URL=http://www.open-net.jp
掲載者 オープンネット(株)
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