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東奥日報 2004年1月 青森県/ビルド設計工房
  建て主が各業者と直接契約〜価格見える家造り県内で徐々に普及〜

建て主が各業者と直接契約
価格見える家造り県内で徐々に普及
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 住宅を建設する場合、工事や材料の調達は、建て主から依頼を受けたハウスメーカーや工務店、建築家が一括して発注するのが通例だが、建築家の監理のもと、建て主がそれぞれ専門業者と契約を結び、分離発注することでコストダウンを図るという契約手法が県内でも広がりつつある。見積もりから支払いまで建て主がチェックするため不透明な経費は生じず、手抜きや欠陥住宅の防止にもつながると好評のようだ。

コスト削減が魅力
「チェックできて安心」

 この価格の見える家造りの手法は、現在、全国で278社の建築家が会員となっている「オープンシステムネットワーク」が積極的に普及を図っており、県内では6人が会員となっている。会員の一人、青森市でビルド設計工房を経営する一級建築士野澤勝司さんが、同システムを活用して2003年12月に完成させた青森市のAさん宅を訪ねてみた。

 Aさんは、妻と男の子一人の三人家族。子どもの小学校入学を機に家を建てようと同市中心街に38.5坪の土地を購入、ハウスメーカーや工務店を回ったがAさんの希望と合わず、雑誌で知っていたオープンシステムネットに問い合わせて野澤さんを知り、依頼することになった。

 野澤さんはまず、Aさんから「合板や壁板は使いたくない」「木をふんだんに使う」「流れ屋根で天井が高く明るい家」など家への希望を聞き、図面化した。

 設計が決まると、野澤さんが家にかかるすべての予定価格表を作りAさんに提示。Aさん納得の上で12社と契約を結んだ。野澤さんの設計料と施工監理料は合わせて全工費の15%、大工さんの手間賃は出来高と、すべてオープン。壁に塗った自然素材のしっくいのような塗り物は、Aさんがインターネットで見つけて契約を結んだ。材料費と塗装の手間賃だけ支払ったため、安価にできたという。

 床のフローリングに使ったアカマツのムク材は、オープンネットの会員から紹介してもらったロシアのルートで安く手に入れることができた。野澤さんも本県のヒバ材を市価より安く手に入るルートを会員に教えており、材料費は情報交換でかなり安く抑えられているという。しかし業者によっては、このシステムで仕入れ価格が一般の人に知られることを嫌うケースもあり、同ネットは賛同する業者を登録する努力をしている。

 出来上がったAさん宅は木造在来軸組工法で三階建て。住宅に組み込まれた車庫も含めて延べ床面積約58坪。二階リビングで暖房は灯油パネルヒーターと床暖の併用。屋根はストッパーが付いた流れ屋根の無落雪、天窓も多く、Aさんの希望通り明るい家になった。坪単価は52万円。

 Aさんは「世の中の値段の仕組みが分かった。支払いや契約はそれほどわずらわしくはないし、手抜きがないかどうかも自分でチェックできてよかった」と話していた。工事期間中の火災、盗難、家具、材料の損壊などは、同ネットの紹介する保険の保障がある。

 野澤さんによると、同ネットは、入会金が10万円で毎月の会費が1万円。野澤さんは「入会後やめる建築家もいる。会費を高いと見るか、安いと見るかは、会員の活用次第。私はとても役立っている」と話す。

 オープンネットのホームページはhttp://www.open-net.jp/

掲載者 (有)ビルド設計工房
関連HP http://www.open-net.jp/site/page/jimusho/japan/touhoku/aomori/build/




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