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「CCI」 2005年3月号 ・・・建築士の卵とのコラボレーション物件 @
  一級建築士として社会に貢献できること〜 鰍ンずほ建築事務所 所長 山田 雄一 氏

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続 『建築革命宣言!』 〜オープンシステム/ピュアCMに挑む建築士たち〜

建築士の卵とのコラボレーション物件 @

一級建築士として社会に貢献できること


寄稿
鰍ンずほ建築事務所 所長
山田 雄一 氏

■プロローグ(高専との接点)

 前号で、オープンシステム代表の山中省吾氏が、「続・建築革命宣言!」というタイトルで、オープンシステム(ピュアCM)の概要について書いていただいた。
 このオープンシステムで、大規模な住宅の改修を(納屋⇒専用住宅への改修)を石川高専建築学科の生徒と、コラボレートして進めていくことになった。
 国家資格である1級建築士として、学校では習えないようなことを、我々の仕事を通して、後輩に伝えられないであろうか?と、考えていた私にはまさにいいスタートであった。この石川高専との繋がりはいくら母校と言えどすぐに築かれたものではない。第1回日の今回は、そこに至るまでの経緯を概要ではあるが説明したいと思う。

●全国緑化フェア

 私が、石川県建築士会青年委員長だった時、ちょうど石川県で全国緑化フェアが開催される年であった。その会場内に展示する模型で「50年後の都市緑化像」を題材とした展示があり、その模型を「建築士会青年委員会と学生さんとのコラボレーションで作成してくれないか?」という打診が展示主催者側からあったのである。
 早速、母校である石川高専建築学科の主任教授を訪ねた。概要を説明し、OKをいただいた。進め方については、定期的に青年委員会が学校に出向き、学生と一緒に議論して進めていくことになった。畳2枚分位の大きな模型を二つ作成することになった。
 青年委員会、高専生、先生とも2グループに分かれ、それぞれの模型のタイトルや概要を決めるためディスカッションして、1回目のスタディ模型が完成した。
 その後、第1スタディ模型をもとに更に議論を重ね、図面を何度も訂正し、さらにリアルになった第2回目のスタディ模型が完成した。
 それをもとに、より詳細な図面を書き議論を進め、合計半年以上を費やして、ついに展示模型は完成した。
 その模型を、レンタルした2tアルミトラックにて皆で慎重に会場まで運んだ。慎重に慎重に模型が壊れないように徐行運転で運んだ。
 緑化フェア開催中は、学生と建築士会青年委員が順番で、会場の説明係りを担当した。一般の人は模型の精密さに圧倒されており、説明する学生や我々もとても嬉しかった。
 この模型、緑化フェアが終了すると廃棄処分の予定であったが、あまりに勿体無いので、金沢市内の小学校の空き教室に展示させてもらった。その小学校の生徒にも説明もした。
 その後、松任市内の商店街の展示スペースにも展示させてもらい、地元ケーブルテレビの取材も受けて反響もまずまず。
 その後は、三重県での建築士会全国三重大会のメイン入場口に展示させてもらい、全国の建築士に見ていただいた。
 さすがにその後は、廃棄処分となった。
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●お菓子の家づくり

 石川県建築士会青年委員会と石川高専建築学科との関係が徐々に築かれ、建築学科主任の先生と相談し、次は「お菓子の家づくり」という中学生、建築系工業高校を対象とした事業にもー緒に活動していくこととなった。
 読んで字のごとく、市販のお菓子を使い、一日で家を作ろう!という試みである。高専の生徒が事前に何回も試作をして、当日に臨んだ。我々建築士は、それぞれ各グループに一人づつ参加し、模型作りのアドバイス等を積極的に行った。中学生グループのほかに、建築系高校のグループもつくった。
 地元の一般の人も審査員になってもらい、公平な審査で中学生の部、高校生の部の優勝、準優勝を決めていく。彼ら彼女らには、一生の思い出になったに違いない。中学生が建築系の高校を目指してくれるきっかけになるだけでなく、そうでない子も、住宅というものに関心を持ってくれるキッカケになれば幸いである。
 この事業は継続事業であり、今年で5回目を迎える。年々バージョンアップし、数年前からは確認申請の提出、中間検査、完了検査、まちなみへの配慮、ゴミを出さないように作る等、家づくりのプロセスを簡易体験できるように、より高度な内容で進めている。また、この作品の中で10作品くらいを、地元の幼稚園や保育園にお願いして、園児にも夢を与えるように展示してもらっている。
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●浅の川園遊会でのボランティア

 金沢の歴史が感じられる浅の川東山界隈。ここを舞台に浅の川園遊会という大きなお祭りが毎年4月上旬に開催されている。5年ほど前から石川県建築士会の青年委員会、まちづくり委員会でボランティア参加している。環境美化という担当で、主に開催時のゴミ関係の担当である。この浅の川園遊会は今回で19回目を迎えるが、地元の人が自分達の力で立ち上げてきたものであり、本当の意味での住民主体の「まちづくり」のお手本になるものである。それらに感動を受け、我々は参加している。今では、建築士会のテントブースを設置させてもらい、建築士会のPRも兼ねてそのブースで子供を対象とした「木と和紙でうちわ作り」というものをしている。
 これらの活動に、石川高専の学生さんにも参加していただいている。環境美化では我々と−緒に行動したり、当日使用するポリのゴミバケツに同窓会主催でペンキでデザインして彩りを考えて塗装したり、うちわ作りでは建築士会女性委員会の人と一緒に、子供にうちわ作りを教えてもらうなど、このような活動の中から少しでも、まちづくりについて感じてもらえれば、嬉しい限りである。
 このように我々建築士と石川高専との活動が様々あったこともあり、高専主催の「2級建築士を受験する人のための公開ゼミナール」の講師として、毎年数回ではあるが学校で教えている。その生徒の中に一緒に活動した高専生がいたりすると、何が何でも合格してくれ!という思いでいっぱいになってくる。

 前置きが長くなったが、次回はいよいよ当事務所と石川高専の学生とのコラボレーションによる、オープンシステムでの素晴らしい大改修住宅物件の話をしていきたいと思う。
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DATA
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山田 雄一(38歳)
鰍ンずほ建築事務所 所長
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■プロフィール
1967年 石川県金沢市生まれ。
国立石川工業専門学校 建築学科卒業。
(社)石川県建築士会青年委員長、
建築士会東海北陸ブロック青年建築士協議会運営委員、
(社)日本建築士会連合会青年委員を歴任。
現在、(社)石川県建築士会青年委員会相談役、
まちづくり委員会副委員長。
(社)日本建築家協会正会員。
オープンシステムネットワーク全国会議北陸代表幹事。
石川工業高等専門学校建築学科同窓会「ほおづえ会」副会長。
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■連絡先
鰍ンずほ建築事務所
石川県金沢市諸江町中丁303

TEL:076-237-3286
FAX:076-238-9693
E-mail:mizuho@spacelan.ne.jp
URL:http://www.open-net.jp/site/page/jimusho/japan/hokuriku/ishikawa/mizuho/
 
 
【過去のCCI 】 2005年2月号
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